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       - 心のサプリメントのコラム -

日経新聞夕刊の心のサプリメントのコラムに2005年4月より執筆中です。

溝を深める「分かるはず」
熟年離婚をめぐる夫からの相談が今も多い。

「この2年は社運をかけた仕事を任されていました。遊んでいたわけではないんです。妻も分かってくれているはずなのに・・・」と、肩を落とす大企業の管理職Aさん(50)。こんな場合、当事者である夫婦二人に参加してもらい、問題点の共有・解決を図る「カップルカウンセリング」と言う手法もある。
ただ、熟年離婚をめぐる関係修復は容易ではない。妻側が切り出すのは熟慮を重ねた末のことなので、長い時間をかけて深まったその溝はその分、埋まりにくいからだ。

Aさんの妻(48)も、「私は何度も話し合いや相談を持ちかけました。でも、彼は取り合ってくれなかったんです。」と対決姿勢を崩さない。「いまさら何?」と言う思いは分からなくはない。ただ、妻自身は問題共有を働きかけたつもりでも、夫は小言としか聞こえないこともある。

Aさんの妻の例のように「相手も分かってくれているはず」と夫と同じように思い込んですれ違いを生じている例が、実は多いのだ。どれだけ相手に不快感を果たしたつもりでも、分かるはずは心理的に甘えていること。相手の耳を開かせる上でも、まずは、「大事な話があるの。何時なら話せる?」等の相手の事情を尊重した対話をお勧めします。

臨床心理士 三上道代

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